仏教はおよそ2500年前に始まりました。王子として現在のネパールのルンビニーという所で生まれたゴータマ・シッダールタは、およそ2500年前に、29歳の時に出家をして、厳しい修行を経た後にブッダガヤーの菩提樹の木の下で深い瞑想に入り、ついに悟りを開かれました。そして悟りを開かれた後、その生涯は80歳で入滅されるまで各地で教えを説かれました。お釈迦様が入滅された後に、仏教は様々な国へと広がって行きました。
南伝仏教(なんでんぶっきょう)とは南方仏教ともいい、タイ・カンボジア・ミャンマー・スリランカなどの国々に現存している仏教です。上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)や長老仏教(テーラヴァーダ)と呼ばれますが、小乗仏教と呼ばれる場合もあります。しかし小乗というのは大乗仏教側からの蔑称(べっしょう)であります。
特色としては釈迦像だけを礼拝し、お釈迦様の遺骨を祭る仏塔崇拝も盛んです。出家は厳しく多くの戒律を守り、瞑想を行ったり、経典を学んで修行をし、托鉢(たくはつ)するなどして修行者と集団生活をしていて、形式的にお釈迦様の仏教に近い純粋な形を保持しています。
その僧院を経済的に支えるのが在家の信者で、出家者のような厳しい修行はできませんが、出家者に教えを請いて功徳の授かり方など指導を受けたりしています。
北伝仏教(ほくでんぶっきょう)とは北方仏教ともいい、地理的には北インドからガンダーラ地方を経て中央アジアから、中国、朝鮮、日本、ベトナム、台湾などに広がって行きました。
南伝仏教(なんでんぶっきょう)の別称の小乗仏教とは対照的に大乗仏教と呼ばれます。出家して修行した僧侶だけでなく、誰でも悟りに至るチャンスがあると考え、その方法や考え方をめぐってさまざまな宗派ができました。文殊菩薩や阿弥陀如来、弥勒菩薩などの諸仏や菩薩といった色々な神仏を生み出しました。
日本の仏教は大乗仏教で、大乗仏教の国では、僧侶にならなくても仏教の教えを信じて正しい生活をしていればいつかは悟りの境地に達することができると考えられています。
大乗仏教の修行僧たちは現世利益と来世の救済を求める信者に造塔や造仏を功徳として、その行為を仏教僧自ら始めて信者にも寄進を勧めました。
仏教は2500年前にインドで興り、お釈迦様が入滅されてから様々な国や地域へと広がっていきました。現存する仏教は大きく2つに分けて南伝仏教(なんでんぶっきょう)と北伝仏教(ほくでんぶっきょう)です。日本の仏教は大乗仏教で、出家して修行した僧侶だけでなく、誰でも悟りに至るチャンスがあると考え、その方法や考え方をめぐってさまざまな宗派があります。経典は仏教の開祖であるお釈迦様が書いたものではなく、お釈迦様が入滅された後、数百年をかけて、のちの弟子たちによって経典化されました。そしてその拠り所にする経典や解釈の違いによって、さまざまな宗派が生み出されようです。