仏具とは、法具ともいい、仏教を修行するための、仏事に必要な器具の総称のことです。
それらは用途によって5種類にわけることができます。
1. 荘厳具 2. 供養具 3. 梵音具(ぼんのんぐ) 4. 僧具 5. 密教法具 の5つです。
荘厳具は、堂内を飾りつけするために用いられる仏具です。 仏像、仏堂などを装飾することを荘厳といい、そのために用いるものを荘厳具とよびます。つまり立派にお飾りすることをいいます。
供養具は、仏の供養に用いる道具や、仏前の荘厳に用いられます。
仏の供養には古代インドから習った3つの基本的な供養法があります。
1つ目はお香を香らせるための道具、2つ目はお花をお供えするための道具、3つめは灯りをともすための道具です。
これらを、それぞれ香炉(こうろ)、華瓶(けびょう)、燭台(しょくだい)といい、まとめて、三つ具足(みつぐそく)といいます。
配置としては、中央に香炉(こうろ)を置き、向かって右側に燭台(しょくだい)、左側に華瓶(けびょう)を置きます。
五具足(ごぐそく)で配置する場合もあり、その場合は華瓶(けびょう)と燭台(しょくだい)が一対あり中央に香炉(こうろ)がきます。
一般家庭では用いられませんが、お寺で用いられる柄香炉(えごうろ)という長いもち手のついた香炉があります。三具足(みつぐそく)は、最低限の欠くことができない供養用具で、それは寺院であれ一般家庭であれ変わりません。具足(ぐそく)とは完全な・十分に備わっているという意味で、三つ具足(みつぐそく)は三つの品が備わっている状態、五具足(ごぐそく)は五つの品が備わっている状態を表します。
仏さまの前でお香を焚き、お花を供え、灯明によって明るく照らす供養法は、仏教伝来から行われてきました。
梵音具(ぼんのんぐ)は、いわば宗教的雰囲気を醸すために鳴らして音を出す道具です。
様々な種類があり、梵鐘(ぼんしょう)、雲版(うんばん)、木魚(もくぎょ)饒(にょう)、鰐口(わにぐち)太鼓、銅鑼(どら)などです。
それぞれ鳴らし方やたたき方、鳴らす回数、作法などは宗派や流派によって異なります。
僧具は、僧の衣服や持ち物などの仏具で、仏教の教えを実践する上で欠かすことの出来ないものです。袈裟などの身に着けるものと、数珠などの持物関係のものに分けることが出来ます。
密教法具は、密教で用いる独特の仏具です。 密教法具の代表的なものに金剛杵(こんごうしょ)という法具があります。 元々は古代インドの武器で、仏の智慧で煩悩を破壊することを象徴しています。
仏具は仏事に必要な器具の総称のことで、大きく分けて5種類に分類され、それぞれ様々な種類があります。形や材質も様々で、宗派や流派によってもその用い方や、作法に違いがあります。