お仏像を購入する際に、その選び方について迷われる方もおられるのではないでしょうか。
基本的には仏壇用の仏像でなければ、信仰する仏様や、ご自身のお好きな仏像をお選びいただければと思います。
特定の仏様がいなければ、個々のデザインからお選びいただくのも一つですし、仏様の「功徳(ご利益)」を参考にされるのも良いかもしれません。当サイトに載っている、それぞれの仏像の説明をご参考にしていただき、仏像選びの参考にしていただければと思います。
例えば薬師如来は医王仏とも呼ばれ、昔から特定の方の「病気平癒」を祈った仏様と言われています。また、阿弥陀如来は「極楽浄土」の仏様です。現世の「安穏」と「極楽往生」を願って造仏されてきました。さらに、お釈迦様は唯一実在した人物で仏教の開祖であります。全世界で釈迦如来の仏像が造仏されております。
これらの仏様は全て如来であります。仏像は如来や菩薩、明王、天などに分類分けが出来ますので、それらも仏像選びの参考にしていただければと思います。
「私は以前から観音様を信仰しています。」「昔から毘沙門天が好きです」といった特定の仏様を信仰されている方は、その種類の中から、大きさや素材・個々のデザインから選ばれても良いかと思います。
ご自身の十二支の守り本尊から選ぶ方法もあります。十二支の守り本尊とは、生まれた年の干支によってそれぞれ守り本尊が定まっております。
仏像は既製品とは違って、特別に造られた仏像のほとんどが一点ものとなりますので、まさに一期一会といえます。
それぞれの仏像は非常に考えられて、細かく緻密に造られておりますので、全体のお姿の雰囲気やお顔の表情、手の動き、衣のひだなどじっくりと観察して仏像選びの参考にしていただければと思います。
それぞれの仏像の中で、特に有名仏師の仏像はやはり他の仏像と比べ、価格がいくばくか高価になります。またサイズや材質、その仕事ぶりにも関係があります。 小さい仏像でも細かなところまで細工がしてあると、仮に大きなサイズのものよりも価格が高価になることもあります。仏像は、非常にたくさんの工程を経て出来上がりますので、その内容にも関係があります。
鍍金や金箔であしらわれた仏像はその素材上、高価になりますし、白檀・沈香なども同様です。仏像の表面に、様々な彫金が施された仏像など、手間暇がかかっている仏像も同様です。
仏像を作るには多くの工程が必要で、一つ一つ手作りですので、同じ形の仏像でも表情やお姿が微妙に違います。我々も一人として同じ姿や顔の者がいないのと同様に、仏像も同じことが言えます。そのことが仏像の奥深さの由縁の一つであるといえます。
国や地域によって同じ仏像の種類でも姿や形が多少違います。同じ金剛薩埵でも日本とアジアでは右手で持つ金剛杵の角度が違います。釈迦如来の仏像は様々なお姿で表されますが、タイなどの国では涅槃像などが多く見られます。
世界共通の仏像もあれば、その国にしかない仏像もあります。聖天さんの双身像は日本で多く見られます。色々な違いを楽しみ、その意味合いを知ることも、仏像選びの醍醐味の一つでもあります。
仏像は動きませんが、じっくり見ていると、いつもの表情と違うように見えるような時があります。その時の自身の心を投影しているのかわかりませんが、落ち込んだ時は何故かいつもより少し優しい表情で慰めてくださっているような気がする時があります。
仏像を鑑賞する際の角度によっても違いがあります。角度を変えてじっくり鑑賞していると、新たな発見を感じることがあります。この部分に彫金が入っていて、持物は何を持っていて、蓮華座の連弁の数はいくつあり...、などと興味が尽きません。
仏像とは非常に奥深い存在で、仏教の教理を体現した存在であり、生涯ずっとその奥深さを楽しむことができます。そのお姿や形から仏教の教理を学ぶきっかけになれば幸いです。